タワーマンションをお勧めしない理由【ベテラン営業マンの提言】

タワーマンションをお勧めしない理由【ベテラン営業マンの提言】

これだけは買うのはやめとけ!! 【人気のタワーマンション】

タワーマンション勧めない

 

 

日本のタワーマンション市場は年々成長し、2022年には727件の成約が記録され、過去最高に達しました。この成長は、タワーマンションが熱い市場であることを示しています。

 

タワーマンションの坪単価は地域や物件の特性によって異なりますが、全体の傾向を知ることは投資判断に役立ちます。過去数年間の推移を振り返ると、昨年は過去最高の坪単価が記録され、タワーマンション市場が着実に成長していることが示されています。

 

 

20階を超えるタワーマンションでは、いずれも高級感を前面に押し出しています。眺望の素晴らしさ、フロント受付の24時間の有人対応、警備員常駐、トランクルーム完備など、まるで豪華ホテル並みです。共用施設も充実しており、子供の遊び場になるキッスルームや、くつろげるラウンジルームなど、贅沢な空間が用意されています。しかし、ちょっと考えてみればすぐわかるように、眺望については、高層階でのメリットでしかないのです。低層階に住んでいては、眺望の良さという恩恵にあずかれない。総戸数が多いとはいえ、管理費も高めになる。修繕積立金も設定されているが、高層での修繕工事の必要が発生した場合には、バカ高い費用になるのは間違いないだろう。高層ビルでは工事のための足場が組めないため、すべてをゴンドラで作業を行うなどで、工事費用が高くならざるを得ないからだ。当然、管理費が高騰する。人気のタワーマンションの落とし穴について、以下、いくつかのポイントで、考えてみよう。

 

 

管理費を比べるだけでタワーのデメリットが見える!!

タワーマンション勧めない理由

 

タワーマンションの、建物としてのハード面は十分「プラス資産」だとして、そのほかの条件はどのように見ていけばいいだろうか。

 

ここでは、まず、第3章で詳述した「管理の偏差値」の観点から、考察していく。東京湾岸エリアに、日本最大級の超高層ツインタワーマンションとして登場したあるツインマンション(総戸数1149戸)「A」。54階と45階の二つの超高層の建物が並び、地上約170メートルの眺望が楽しめる。ここを例にとって、管理費や修繕積立金がどのくらいになっているか、紹介してみよう。管理費は月額1万6200〜3万4200円、修繕積立金は月額5300円〜1万100円か当初の設定になっている。引き渡し時の一括払いの修繕積立金が36万5000円〜62万9000円。このほか、インターネット利用料が月額1155円、駐車場使用料が1万円〜2万1000円、バイク置き場使用料が2000円〜4000円、自転車置き場使用料が100円、トラックルーム利用料が1300円〜2600円。毎月の管理費と修繕積立金を合わせると、2万1500円〜4万5900円か必要だが、タワーマンションにしては、格安とも言える管理費に思える。

 

果たして、この管理費や修繕積立金で日常のメンテナンスや、大規模修繕費をまかなえるのだろうか。超高層マンションは10階建てほどのマンションと異なり、莫大な修繕工事費用が必要だと言われる。それは前述したとおり、工事に高層住宅向けの特殊な工法が必要となるからである。いずれ値上げするにしても、当初の修繕積立金が5300円〜1万1700円というのは、あまりにも低すぎて、長期修繕計画が整っているのかどうか、心配になってしまう。またここでのテーマからはずれるが、管理費が修繕積立金の3倍もしていることも要注意だ。管理会社の利益確保に都合のよい管理費に設定されていないかどうか、精査したほうがいいと考える。参考のために、ほぼ同じ時期に計画された47階建てのある超高層マンション「B」の管理費と修繕積立金を掲げておこう。修繕積立金が、月額で4190円〜6490円、ヒーツ修繕積立基金(引き渡し時一括払い)が21万8000円〜34万4000円必要になる。さらに、トランクルーム使用料は月額・1区画が600円〜1260円、駐車場使用料が月額4万円〜5万円、バイク置き場使用料が月額3000円となっている。

 

インターネット接続料が2000円・4000円、TTPサポートシステム保守料(月額・1戸)が1000円・2000円など、充実したサービスもある。毎月の管理費と修繕積立金だけでも、最低でも約5万円はかかり、これは「A」の最低額2万1500円と比べると、2倍以上の額になる。単純に、修繕積立金を含めた管理費の金額を比べて、高い安いと言っても意味はないが、どちらもツインタワータイプで、規模も近い超高層マンションの「A」と「B」、長期修繕計画を考えたときに、この金額の開きはどう考えても気にかかる。「A」は修繕積立金が5300円〜1万1700円、「B」は1万830円〜1万6860円。5300円と1万830円で考えてみても、年間で6万6360円。10年で60万以上の差になる。さらに、引き渡し時の一括払いの修繕積立金の額が大幅に異なっている点も、注目しなければならない。

 

 

これらの管理費や修繕積立金は当初の設定金額である。いずれ経年劣化で修繕が必要になってきたとき、いずれも見直しが行われるであろうが、当初、修繕積立金が月額5300円〜1万1700円に設定されている「A」は、大規模修繕にあたって、どのくらいの費用負担を強いられるのだろうか。引き渡し時の一括払いの修繕積立金の割安感や、月額の管理費・修繕積立金の低い設定に眼くらましにあってはならない。タワーマンションは、「A」の総戸数が1149戸というように、非常に大規模になる。早くから管理組合で意見を取りまとめて、管理費の節約や修繕積立金の増額を提案すればいいと考えるかもしれないが、全員の合意形成をはかるのは、第3章でも述べたとおり至難の業で、1000戸にも及ぶ超高層マンションでは、そのトラブルははかりしれないと思ってよいだろう。

 

 

タワーマンションのデメリット

生活の不便さ

エレベーターの待ち時間や宅配ボックスの利用が煩雑になることがあります。健康への影響: 高層階に住むことが運動不足や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、高層階住居には気圧の変化も関与しているかもしれません。

 

エレベーターの混雑

高層ビルであるため、タワーマンションではエレベーター待ちが発生しやすいです。朝の通勤時間や夕方の帰宅時間には混雑し、待ち時間が長くなることがあります。タワーマンションは多くの住人が共有する建物であり、特に平日の朝と夕方はエレベーターが大混雑します。特に朝の通勤時間帯には、エレベーターの混雑が発生します。これに備えて計画的な行動が必要です。通勤や通学、買い物、夕食の時間帯に、多くの住人が同時にエレベーターを利用することで、待ち時間が長くなります。エレベーターの数やエレベーターホールの広さによっても、混雑の程度は異なります。高層階向けと低層階向けのエレベーターが別れていることもあるため、注意が必要です。

 

宅配便の配達に時間がかかる

タワーマンション内で宅配便を受け取る際、ドアまでの時間が長くかかることがあります。マンション内の宅配ボックスではなく、個別に住戸まで運ぶ必要があるためです。これは特に急ぎの場合に不便です。また、マンションが大規模な場合、宅配業者は多くの住戸に訪問するため、配達に時間がかかることもあります。

 

駐車場の確保が難しい

タワーマンションは駐車場のスペースが限られていることが多く、駐車場の不足が課題となります。駐車スペースが必要な場合、事前に確保するか、公共交通機関を利用することを検討しましょう。タワーマンションの立地によっては、駅近くの生活を楽しむことができるため、車を所有する必要がない場合もあります。タワーマンションが立地する都市部では、駐車場が限られていることが多く、駐車場を確保することが難しい場合があります。特に新築のタワーマンションでは、駐車場の数が不足していることがあり、抽選に外れたり、中古で入居した際に駐車場が満車だったりすることがあります。駅が近い場所に建設されることが多いため、車を持つこと自体が不要な場合も考えておくべきです。

 

対面とプライバシーの問題

タワーマンションは高層建築で、隣の建物との距離が近いことがあります。これが、お部屋の窓から対面の住人を見えることに繋がります。プライバシーが損なわれることがあるため、注意が必要です。隣との距離感やお部屋の向きを検討し、プライバシーを確保できるお部屋を選ぶことが大切です。

 

忘れ物が取りにくい

タワーマンション内は広大で、忘れ物のリスクが高まります。例えば、スマートフォンを忘れてしまった場合、戻るのに時間がかかることがあります。エレベーターホールに着くまでに忘れ物に気付いた場合、取りに戻るのが難しいことがあります。タワーマンションの高層階から1階まで降りて戻るのは時間がかかり、急いでいる場合には大きなストレスとなります。また、天気が悪い日に雨具を忘れた場合、外で雨に濡れることも考えられます。スマートフォンなどの貴重品は必ず持参しましょう。
出かける前に念入りに確認する習慣をつけましょう。

 

ベランダがないこと

タワーマンションにはベランダやバルコニーを設置していない場合が多いです。そのため、洗濯物を干す場所が限られたり、景色を楽しむ際にガラス越しになることがあります。

 

大きなガラス窓からの日差し

タワーマンション(タワマン)の大きなガラス窓からは、夏場などに強い日差しが差し込みます。一部の人には好ましいかもしれませんが、限度を考える必要があります。タワマンは周囲に遮蔽物がほとんどなく、太陽の光が直接差し込むことが多いため、カーテンを閉めることが多くなり、景観を楽しむために住んだはずのタワマンがその意義を失うこともあります。

 

高層階の風の影響

タワマンの高層階に住むと、風の影響を受けやすくなります。風が強いと窓が揺れたり、音が出たりすることがあります。しかし、一般的には生活に支障をきたすほどの揺れではありません。タワーマンションは地震に強い構造で設計されており、大きな地震に備えています。

 

気圧の変化

高層階に住むことで気圧の変化が影響することがあります。気圧の変動によって頭痛を感じる人もいます。特に気象病と呼ばれる症状が、気圧の変化に敏感な人に影響を与える可能性があります。タワマンの高層階に住むと、気圧の変化がより感じやすくなることが考えられます。

 

子供への影響

タワマンで子育てをする場合、子供の成長に影響を及ぼす可能性があるという議論が存在します。高層階に住むことで外出頻度が減少し、自然環境との接触が少なくなることが懸念されています。また、気圧の変化や揺れが子供の健康や成長に与える影響についても研究が行われていますが、はっきりとした結論は出ていないため、注意が必要です。

 

天候の分かりづらさ

高層階に住む場合、窓からの天気の確認が難しいことがあります。通行人が傘をさしているかどうかを見て判断する必要があるため、雨や風の強さが分かりづらいことがあります。また、高層階になると風が吹かないこともあるため、外出時の服装や髪型に注意が必要です。

 

災害リスク

災害リスクは、タワーマンにおいて特に注視すべきポイントです。水害や停電時の対策が不十分な場合、生活に支障をきたす可能性がある。特に水害に弱いタワーマンションでは、浸水被害や停電のリスクがあります。武蔵小杉のタワーマンでは2年前に浸水被害が発生し、これが大きなリスクとして知られています。タワーマンは一般的なマンションとは異なり、特有の災害リスクが存在します。例えば、電気設備の浸水によって電気が使えなくなり、エレベーターも利用できなくなるなど、生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。購入前に、そのエリアの災害リスクを確認し、適切な対策を取ることが重要です。

 

廃墟リスク

マンションの管理状況は、タワーマンでも一般のマンションと同様に重要です。特に大規模修繕工事と修繕積立金に注意が必要です。マンションの寿命は適切な維持修繕が行われていれば100年以上と言われていますが、タワーマンには大規模修繕工事の前例が少なく、適切な工事予算を見積もることが難しい場合があります。さらに、多くのタワーマンは投資目的で賃貸に出されているため、修繕積立金の増加に反対するオーナーがいると、工事予算が不足し、マンションの老朽化が進行する可能性が高まります。この点については注意が必要です。

 

その他のリスク

その他のリスクとして、購入後に自分の期待する眺望が損なわれる可能性があります。これは一般のマンションでも発生する可能性がある問題ですが、高層階にあるパワーマンションでは特に注意が必要です。眺望の良さが購入の決め手となることが多いため、失われることは非常に大きな問題となります。購入時に眺望に関する情報を詳細に確認し、将来的な変化についても考慮することが重要です。

 

管理費が高い

タワーマンションの管理費は一般的なマンションよりも高く、上層階ほど高額になることがある。平均的な管理費は1.3倍程度高いと言われている。充実した共用施設やサービスの維持に伴い、管理費が高くつくことがあります。また、大規模修繕工事の際に高額な費用がかかることもあるため、ランニングコストが高いと言えます。

 

日常の不便さ

タワーマンションでは布団や洗濯物を外に干すことが難しいため、太陽の光や自然の風を楽しみたい人には不便かもしれない。また、エレベーターの利用に時間がかかることがストレスとなる場合もある。

 

隣人の入れ替わり

一部のタワーマンションでは賃貸住人が多く、隣人が頻繁に変わることがある。有名な人が隣に引っ越してくる可能性もあるが、それに対するストレスも考えられる。

 

修繕費用の不安

将来の修繕費用が高額になる可能性がある。管理組合の積立金が不足していると、修繕に関する問題が生じる可能性がある。

 

子供の成長・自立が遅れるタワーマンション!!

タワーマンション勧めない理由その1

 

タワーマンション住まいを考えるにあたって、最後に高層住宅が成長面で子供に影響する話を紹介しよう。毎日新聞(2002年3月26日付)の記事から一部を引用してみると、

 

東京大学大学院医学系研究科の織田正昭教官(母子保健学)は『高層階に住み外に出ない生活が続くことで、母子密着が過度に進み、あいさつや排便などといった子供の自立が遅れる。小中学校で不登校や暴力など、学校に適応できないといったデータもある。一概には言えないが、少なくとも超高層住宅の生活が問題行動を助長している』と指摘する……

 

とある。「幼児の基本的生活習慣の自立状況」をご覧いただきたい。これは幼児を対象に、基本的生活習慣における自立性の程度を1?5階の低層住宅と、14?23階の高層住宅で比較したものだ。「全くできない」という幼児が、高層住宅に住んでいる幼児に多い。幼児の生活習慣の自立が遅れる原因は、いくつか考えられる。その一つが、外出回数だと言われる。高層階に住む親子は低層階に住む親子より外出頻度が低い傾向があると言う。高層階に住むと、なぜ母親が外出しない傾向になるのか。例えば、エレベーターでの上り下りが億劫になっている、ということが想像できる。また、地上との隔たり感が、なんらかの心理的変化をもたらしているのかもしれない。まだ、論証が十分ではないが、注目していきたいことではある。このデータからすぐにタワーマンションでは、子育てに難点があると考えるのは早計だが、眺望のよさや豪華設備ばかりに目を奪われるべきではないだろうと指摘しておきたい。

 

 

タワーマンションの修繕費問題

 

大規模修繕ラッシュ

2022年は、大規模修繕のピークと言える年となりました。建築基準法の改正や、2000年以降のマンション建設ブームにより、多くのタワマンが竣工し、15から18年の周期で大規模修繕が必要になっています。これに伴い、多くのマンションで大規模修繕が行われることが予想されます。

 

修繕積立金の不足

大規模修繕は、住民の快適な生活と資産価値の保持に不可欠ですが、現実には修繕積立金の不足が多くの物件で問題となっています。住民たちは高額な修繕費用を負担しなければならず、その負担が大きなストレス源となっています。国交省の2018年度調査によれば、34.8%のマンションが修繕積立金不足に陥っていることが明らかになっています。

 

高騰する修繕費の理由

 

足場コストの上

足場は建設会社がリース業者から借りてくるもので、その価格が5割以上も上昇しています。厚労省の安全基準の厳格化と外国人労働者の入国制限がこの上昇を推し進めています。

 

資材価格の上昇

原油高騰やコンテナ不足により、塗料やタイルパネルなどの価格も3割増加しています。

 

住民の対立と解決策

修繕費用の増加に伴い、住民の対立が激化しています。修繕費の増額を回避できたとしても、どこまで修繕を行うかを巡る議論は続いており、組合内で分断が生じています。

 

解決策

 

メリハリのある修繕計画

すべてを必ず修繕する必要はなく、優先順位をつけた計画を立てることで、積立金を抑えることが可能です。

 

修繕の怠りに注意

危険性のない小さな内装のひび割れなど、修繕が必要ない箇所を放置せず、必要な修繕を行うことが重要です。

 

 

タワマン修繕費の高騰は、住民たちにとって大きな課題です。価格上昇や修繕費用の増加に対処するために、積極的な対策と透明性の確保が求められています。

 

 

 

タワーマンションなら低層階を買え!!

低層階のタワーマンションには、高層階と比べて独自のメリットがあります。敷地が広く、公開空地があるため、開放感があります。ガーデニングや庭園が整備されている物件もあり、自然を楽しむことができます。低層階からは景色がクリアに見え、ストレスなく生活できます。

 

価格について考える

 

1. 高層階 vs. 低層階

基本的にタワーマンションの場合、高層階の方が高価です。低層階のお部屋はコンパクトで、総額も抑えられています。ただし、物件によっては2階や3階の方が景色が良い場合もあるため、検討時には注意が必要です。

 

2. 中古物件の価格

中古物件の価格は売主に依存します。売主が早く売りたい場合や、高く売りたい場合があるため、上下界が逆転することもあります。購入時には価格だけでなく、物件の資産価値を検討することが重要です。

 

購入の際のポイント

低層階のタワーマンションを積極的に購入する際のポイントは以下の通りです。

 

  • 高級物件であること。
  • 物件のコンセプトに庭園やガーデニングが含まれていること。
  • 物件の資産価値を評価し、購入価格を検討すること。

 

最終的に、低層階のタワーマンションを購入する際には、物件の魅力や将来の利益を考慮し、慎重に決断することが重要です。


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